トランプ大統領の目的
- yukiaonuma
- 3月7日
- 読了時間: 3分
トランプ大統領の政策は米国を弱体化させているようにしか見えないが、その答えはトランプが米国政府を始めとした既得権益層を破壊し、トランプ帝国なるものを作ろうとしている、と考えると合点がいく。
米国政府の影響力の排除
トランプはまずもって「ディープステートとの戦争」を目的としているが、これは陰謀論で片づけられる話ではなく、実際に米国は世界中に影響力をもっており、それを維持するべくUSAIDなる組織があったりWHOや国連・NATO・WTOに参加し、拠出金を出し発言権をもっている。USAIDも単なる慈善活動ではなく、そこには「思想の輸出」や「規格・ルールの輸出」が主目的として存在していた。それらをすべて解体・離脱の方向に向かわせている。
行政機構の解体
公務員・FBI・CIA・国務省・EPA・教育省を始めとした官僚機構解体により反トランプ勢力を排除しトランプ派で固めようとしている。国家の安全保障や安定よりも、トランプ一派の安全保障が強化される。
親独裁政権
プーチン氏に対しては明らかだが習近平氏に対してトランプ大統領はリスペクトをもっているが、国際組織への離脱とトランプへの集中した権力を正当化する相手としてこの両者を否定することは出来ない。トランプの反中の姿勢はあくまで中国企業・中国経済との戦いであり、習近平氏との戦いではないと切り分けている。
金融の掌握
株価がどうなろうと構わないような素振りだが、それもそのはずで、トランプ一族はWLFIという独自の経済・金融基盤の創出を目的とした組織をもっており、暗号通貨経済圏の促進を目指している。ウォール街を迂回した金融システムをつくりトランプ派ビジネスエリートを引き込もうとしている。
情報・通信の掌握
政府にイーロンマスクを引き入れたのも、強固な情報基盤であるXとスターリンクによる世界通信が目的だろう。イーロンマスクも米国第一というよりは自身の世界的プレゼンス拡大を目的としておりトランプと親和性があるため、それがより強力に推進されている。既存メディアに対する口撃をしつつ大統領としての情報発信のメインをXにしているあたりにも新しい情報基盤を推進する形。選別した民間ネットワークによる世界を構築するつもりだろう。
トランプはアメリカを「小さな政府」にして債務超過をなんとかしようとしている訳ではなく、
・連邦政府の官僚機構を破壊し、自分の意向に沿った政府の作成
・伝統メディアの弱体化によるトランプ派の情報ネットワークの構築
・国際組織やグローバルな枠組みを拒否し、独自の経済・金融基盤の構築
これらによりアメリカ=トランプ国として、トランプを中心とした新しい権力システムを目指しているだろう。
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